長寿大国ニッポン。
平均寿命は年々上昇を続け、
2017年に過去最高を更新しました。
でも「長生き=幸せ」なのでしょうか?
老いてなお幸せを感じたいなら、
気にかけたいのは平均寿命ではなく健康寿命。
健康寿命を伸ばして健やか生活を送りたいですよね。
メディアのニュースなどでたびたび報道される日本の「平均寿命」。
日本は長寿大国だということは知っているけれど、
そもそも「平均寿命って何を意味するの?」と思った人はいませんか。
平均余命や健康寿命という言葉を耳にすることもあって、
それぞれの意味の違いもよくわからないですよね。
平均寿命とは、
「その年に誕生した子どもが、何年生きるか」を推計したもの。
戦後、日本の平均寿命の推移は右肩上がりで、
世界的に見ても高いことがわかっています。
さらに2018年7月、
厚生労働省が発表した「簡易生命表」によって記録が更新され、
平均寿命が過去最高に達しました。
2017年の男性が81.09年、女性が87.26年という結果が出ています。
1947年の平均寿命が男性50.06年、女性53.96年。
つまり、
戦後の70年で実に30年以上も平均寿命が延びたことになります。
都道府県別に見ていくと、
男性は一位が長野県(79.84年)、
二位滋賀県(79.60年)、
三位神奈川県(79.52年)
という結果が出ています。
女性は一位が沖縄県(86.88年)、
二位島根県(86.57年)、
三位熊本県(86.54年)。
男性と女性、それぞれ違う県がランクインしているのが興味深いですね。
「平均余命と言う言葉も聞くけれど、平均寿命とどう違うの?」
実は、平均寿命と平均余命は似て非なるもの。
2つの言葉の意味は、「平均」という言葉を取り除いて考えると、
とてもわかりやすいです。
寿命 生まれてから死ぬまでの時間
余命 残された命の時間
つまり、平均余命は「その年齢から亡くなるまでの時間」を平均したもの。
先に説明したとおり、
平均寿命は、
「その年に誕生した子どもが、何年生きるか」を推計したものですから、
0歳の平均余命=平均寿命となります。
・平均寿命と健康寿命は別物
平均寿命や平均余命以外に、
健康寿命という概念もあります。
これは、
「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」
と定義づけされており、
高齢化が進む日本で重要視されている指標の一つです。
たとえ平均寿命や平均余命が伸びても、
すべての人々が健やかに生活しているとは限らないのです。
身体の機能が低下していたり、
認知症などを発症して、
寝たきりの生活を送っている高齢者も少なくないからです。
できることなら、
1年でも長く健康で自立した生活を送りたいですよね。
これからの人生を楽しく過ごすためにも、
健康寿命を伸ばす努力をしていきましょう。
では、健康寿命を延ばすには、
どのような生活を送ればよいのでしょうか。
日本では、「健康寿命をのばしましょう。」をスローガンに、
スマート・ライフ・プロジェクトという取り組みを進めています。
このプロジェクトでは、
3つのアクションと、健診・検診の受診を勧めています。
アクション①「適度な運動」
平均的な歩数から足りない1000歩は、分数にして約10分。
毎日、苦しくならない速度で10分間早歩きすることを勧めています。
アクション②「適度な食生活」
毎日、プラス70グラムの野菜を摂取することや、
朝食をしっかり食べることを推奨しています。
アクション③「禁煙」
「健康を損なうだけでなく、肌の美しさや若々しさを失うことにも繋がる」
として、禁煙を勧めています。
これら3つのアクションと健診・検診の受診によって生活習慣病を防ぎ、
より長く健康で自立した生活を送っていくことが、
スマート・ライフ・プロジェクトの目標です。
しかし、特に定年退職を迎えた方の場合、
これまでの規則正しい生活から一気に自堕落な生活に陥ってしまうことも…。
主体的に習慣をつけていくことは、
実は大きな努力を要するのです。
平均寿命は今後さらに延びると考えられています。
問題はそれに伴って、
健康寿命も延ばすことができるかどうかです。
もし、平均寿命が延びても、
健康寿命の延伸が頭打ちで、
「不健康な期間」ばかりが長くなってしまえば、
個人の生活の質は低下し、
人生は幸福なものとは言えなくなってしまうでしょう。
医療費や介護給付費もそれだけ多くかかることになり、
個人の負担が増えることはもちろん、
社会保障システムの維持も難しくなっていきます。
そのため国は、
疾病予防と健康増進、介護予防などによって国民の健康づくりの推進を図り、
平均寿命と健康寿命の差を短縮していくことを目指しています。
今後の超高齢化社会の到来に伴い、
個人でも健康寿命について意識しておくことが必要です。
単に長く生きるだけでなく、
健康に長生きすることを目指すには何を行えばいいのか?
なお、厚生労働省では、
栄養バランスのとれた食生活、適度な運動、禁煙を心がけ、
定期的に健康診断を受けるなど、
体のメンテナンスを行うことが大切だとアナウンスしています。
健康寿命を意識すれば、
日々の生活の過ごし方も変わってきます。
自分でできるヘルスチェックや機関での検査なども活用し、
自己管理を怠らず、健康的で質の高い老後の生活を手に入れましょう。
これから先も、
健康で自立した生活を送っていきたいのなら、
「社会と関わっていくこと」が一番の早道です。
社交的な方ならば、
地域の集まりに参加したり、買い物や旅行をしたり、
趣味のサークルに打ち込んだり。
自由になった時間を活用し、
外へ出て、人と会い、会話を楽しみ、
身体を動かすといった一連の行動が、
皆さんの心身機能を向上させてくれるでしょう。
「そうは言っても、自分で新たな場を見つけられるだろうか...」
という方に最もオススメなのは、
やはり「仕事を続ける」という選択肢です。
仕事を続けていれば、
「毎日、同じ時間に起き、仕事をし、明日の仕事に備えて早めに寝る」
という規則正しい生活を送ることができます。
仕事を通じて「社会と関わっている」という実感も得られますし、
仕事に生きがいを感じることだってできます。
つまり、長く働くことこそ、健康的な生活を送り、
健康寿命を延ばすことができる習慣を生み出すものなのです。
ミドルシニア世代になると、少しずつ体力が落ちてきて、
働くこと自体をおっくうに感じるかもしれません。
「腰が痛い」「肩が痛い」「もう無理は利かない」と、
身体が悲鳴を上げている人もいることでしょう。
確かに、若い頃のように精力的に働くのは難しいかもしれません。
だから、無理のない範囲で働いてみませんか。
短時間勤務の仕事や、
出勤日数の少ない仕事を選べば、体力的な負荷も高くありません。
自分に合った仕事を見つけて、
いつまでも健やかな生活を送っていきましょう。
健康ブームが示すように、
老若男女を問わず健康への意識が高まっているなか、
政府の後押しもあり、
『健康寿命』は延びることが期待されます。
一方、
その後に控える「健康ではない期間」には、
医療費や介護費用がかさみ、経済的な負担が大きくなります。
生命保険文化センターによれば
自助努力による老後資金への備えは十分とは言えないようです。
1日でも『健康寿命』が延びるように、
食事や運動をはじめ生活習慣の改善に努めると共に、
老後資金づくりには1日でも早く取り組みたいものです。
そして、健康的な生活に心がけ、
健康寿命を延ばしていきましょう。