アクティブシニアとは、
65歳以上で趣味やさまざまな活動、消費に意欲的な、
元気なシニア層のことを表す言葉です。
戦前の教育や価値観の影響をそれほど受けず、
新しい価値観をライフスタイルに生かし、
アクティブに行動する人の事です。
アクティブシニアという言葉は、まだ聞きなれませんが、
人生100年時代を迎え、
高齢者の生き方が問題視され、話題となっています。
アクティブシニアという言葉は、
団塊の世代が定年を迎えた2007年ごろから使われるようになりました。
一般社団法人 日本アクティブシニア協会では、
前期高齢者とされる65歳~75歳を、
アクティブシニアと定義しています。
アクティブシニアとは、
自分の価値観をもち、定年退職後や還暦後も、
趣味やさまざまな活動に意欲的で元気なシニア層のことです。
「一般社団法人日本アクティブシニア協会」は、
アクティブシニアを前期高齢者(65~75歳)と定義しています。
この言葉は、
2007年に団塊世代が定年を迎えた頃から使われるようになりました。
団塊の世代は1960年代に青春を過ごし、
高度成長後期の大量消費文化をけん引してきた、
エネルギッシュで流行に敏感で、
ライフスタイルにこだわりを持つ人が多い世代です。
アクティブシニアは、
「引退」という後ろ向きな「老い」のイメージとは違い、
生涯現役志向が強く、
消費意欲も高い行動的な(アクティブな)シニアで、
「ニューシニア」とも呼ばれています。
アクティブシニアの世代は、
従来の「老い」の常識を打ち破り、
超高齢社会の中で、
社会や経済を活性する存在として注目されています。
「現役以上・老人未満」である彼らは、経済的に恵まれ、
まだ健康であることから、
こだわりを持って自分のための消費も惜しみません。
「引退」「老後」を第二の人生ととらえ、
前向きにセカンドライフ(第二の人生)を考える、
アクティブシニアの存在により、
多くの自治体で生涯学習や、
情報交換の場の提供等の環境整備が進められたり、
さまざまな催しやイベント、ビジネスが展開されたりしています。
「社団法人日本アクティブシニア協会」や、
「NPOアクティブシニア協会」などの団体なども多く設立され、
アクティブシニアたちが元気で生き生き活動できるよう、
趣味や活動、健康、医療、福祉、税金対策など、
さまざまな方向から提案がなされています。
何歳から「シニア」と呼ばれるのか、
どんな条件を満たせば「アクティブシニア」なのか、
といった明確な定義はありません。
アクティブとは、
「active(活動的な)」という英単語に由来しています。
一般的に「アクティブシニア」といえば、
定年退職したり、65歳以上になったり、
年を重ねても活動的な方を意味します。
●まだまだ元気に活動したい
●年をとっても仕事を続けたい
●社会貢献がしたい
●健康増進に努めたい
●趣味を楽しみながら過ごしたい
●生涯現役でいたい など
このような価値観があり、
生き生きと過ごしている方をアクティブシニアと呼びます。
「もう年だから、なにもしないで家でゆっくりしたい」と、
不活発に過ごしている方は、
アクティブシニアには該当しません。
身近なシニア・高齢者の方を思い返してみて、
「若々しい」
「元気に活動している」
「仕事や趣味を楽しんでいる」
という人がいれば、
アクティブシニアといえるでしょう。
アクティブシニアと呼ばれる人には、
旅行・スポーツ・趣味などを楽しむという、
特徴があるといわれています。
どれもエネルギーが要ることであり、
行動に移していれば「活動的」と思われることばかりです。
アクティブシニアのライフスタイルや、
行動特性に関してよく取り上げられる3つの項目を、
ひとつずつみていきましょう。
・旅行を楽しむ
ひと言で旅行といっても、
日帰り旅行や一泊旅行から海外旅行まで選択肢は幅広いです。
旅行に行くということは、
言葉で表す以上にさまざまな機能が求められます。
まず、旅行に行くためには、
活動に対する「意欲」がわくことが前提となります。
「外に出るのはおっくうだ」
「そもそも家から出たくない」
という気持ちで過ごしていては、
なかなか思い切って行動できません。
行き先を決めて、
本やインターネットで情報収集を行い、
航空券やホテルの手配をして、
荷造りをする過程では、意外と頭を使うものです。
そして、実際の旅行が始まれば、
移動や観光においては体力が求められます。
ただ、体力に自信がないときは、
高齢者向けのゆったりした旅程のツアーも組まれているため、
一度参加してみると、
「自分もまだまだアクティブに過ごせる」という、
自信につながるかもしれません。
・スポーツを楽しむ
スポーツクラブやジムに通うのは、若者だけではありません。
アクティブシニアのライフスタイルには、
スポーツや運動の習慣が組み込まれているといわれています。
社交ダンスや卓球、ゲートボール、エアロビなど、
興味のある運動に取り組んでいるアクティブシニアは非常に多いのです。
定期的に外出する機会にもなるため、
体を動かす良いきっかけとなります。
継続的に運動することで体力がつくと、
アクティブシニアとして元気に過ごす上での資本となるでしょう。
また、スポーツや運動を通してアクティブシニアの仲間ができ、
そのネットワークからさらに活動的に過ごすための、
ヒントが得られることもあります。
運動習慣を身につけると、
生活習慣病の予防にもつながるため、一石二鳥といえます。
・趣味を楽しむ
仕事や子育てなどから解放されたシニアの方は、
「やることがない」という状況に陥ってしまいかねません。
家庭菜園や手芸、カメラなど、
どんなことでも良いので楽しいと思える趣味を持っておくと、
生きがいにつながります。
書店で本を買って、独学でなにかに挑戦するのも良いですし、
経済的に余裕があれば習い事の教室に通ってみるのも良いでしょう。
「八十の手習い」という言葉もあるので、
まだこれといった趣味がない方も、
なにかに挑戦してアクティブシニアに近づいてみてください。
シニア層の方には、
長年培ってきた経験やスキルを生かして、
まだまだ働きたいという意欲をお持ちの方も増えています。
特にアクティブシニアと呼ばれる方は、
就労にも意欲的であることが多いです。
実際の就労状況や就労のメリットをみていきましょう。
・シニア層の就労状況
2018年に総務省が発表した統計によると、
高齢者の就業者数は807万人で、14年連続で増加しています。
就業者の総数に対して、高齢者が占める割合は12.4%であり、
働く人の1割以上が高齢者というデータになっています。
自営業者や役員を除くと、
雇用者の多くがパート・アルバイト、契約社員として働いています。
働くシニアの多くは、
「自分の都合の良いときに働きたい」
「家計の足しにしたい」という思いから、
非正規雇用を選択しています。
・社会参加は健康維持にも欠かせない
「元気だから仕事ができる」という思いから就労を始めても、
結果的に、
「仕事をするから元気でいられる」といった恩恵も生じます。
仕事をすることによって、
中年期に近い活動量を保つことにもつながります。
また、
高齢者にとって社会参加の機会を持つことはとても大切であり、
数々の研究からも効果が示されています。
たとえば、筑波大学などの研究グループは、
社会的なつながりが弱い高齢者では、要介護になったり、
死亡したりするリスクが約1.7倍になると報告されています。
有償の仕事、無償のボランティアなど形はさまざまですが、
社会参加をしておくことで、
結果的に自分の健康維持にプラスとなる可能性があるのです。
いつまでも健康を大切にしてアクティブシニアとして過ごしたい方には、
このような観点で、
仕事やボランティアに挑戦するという選択肢もあります。
会社で定年を迎えたり、子育てを卒業したりすると、
「老い」に向かっていくというイメージをお持ちの方は多いです。
ただ、それが「人生の定年」ではなく、
老後生活は続いていきます。
65歳から老後生活が始まるとしても、
平均寿命を考えれば約20年以上もの時間があるのです。
その時間を少しでも生き生きと楽しめるものにするために、
「アクティブシニア」のライフスタイルを、
参考にしてみてはいかがでしょうか?