70歳までの雇用延長で企業の努力義務とは何?義務との違いと罰則はあるのか?

 

 

厚生労働省は、
高齢者が希望すれば70歳まで働き続けられる制度の整備について、
2021年4月から企業の努力義務とすることを決めたそうです。

 

また、企業を退職した高齢者のうち、
個人で仕事をする「 フリーランス」や起業した社員が希望する場合は、
起業した従業員との業務委託や社会貢献活動への支援なども、
企業の選択肢として認め、
起業支援や社会貢献活動に従事する場合の資金提供なども、
選択肢とし、
2021年4月からいずれかの措置を講じることを、
企業の努力義務とするるということです。

 

70歳までの雇用延長で企業の努力義務とは何?

 

進展する少子高齢化を背景に、
今後は政府主導による、
シニア世代の人材活用が目指されることになります。

 

2019年5月15日に発表された、
高年齢者雇用安定法改正の概要案をもとに、
企業においては、
いつから、どのような対応が必要となるのかを考察します。

 

2019年5月15日に行われた第27回未来投資会議で議論された、
高齢者雇用促進について、
会議の配布資料を参考にその方向性、概要をみてまいりましょう。

 

 

・ 高齢者の雇用

・就業機会を確保していくには、
70歳までの就業機会の確保を図りつつ、
65歳までと異なり、
それぞれの高齢者の特性に応じた活躍のため、
とりうる選択肢を広げる必要がある。

 

このため、65歳から70歳までの就業機会確保については、
多様な選択肢を法制度上許容し、
当該企業としては、
そのうちどのような選択肢を用意するか労使で話し合う仕組み、
また、当該個人にどの選択肢を適用するか、
企業が当該個人と相談し、
選択ができるような仕組みを検討する必要がある。

 

という事のようです。

現行法上、65歳までの就業機会確保については、
「定年廃止」「定年延長」「継続雇用制度導入」のうち、
いずれかの高年齢者雇用確保措置を講じることが、
企業に義務付けられています。

 

この点、70歳までの雇用確保を考える上では、
法制度上さらに幅広い選択肢が設けられるべく、
このたび公開された資料では、
企業の選択肢として7項目が挙げられました。

 

70歳までの雇用延長、
努力義務として企業に示される7つの選択肢とは?

 

高齢者雇用の促進として、
今後、企業に求められる具体的な対応として、
政府資料では下記の取り組みが明示されています。

 

 

① 定年廃止

 

② 70歳までの定年延長

 

③ 継続雇用制度導入

(現行65歳までの制度と同様、子会社・関連会社での継続雇用を含む)

 

④ 他の企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現

 

⑤ 個人とのフリーランス契約への資金提供

 

⑥ 個人の起業支援

 

⑦ 個人の社会貢献活動参加への資金提供

 

上記7項目のうち、
企業では労使間で話し合いの上、
採用する取り組みを決定することになります。

 

直接的な雇用だけでなく、
社外での就労機会確保への支援でも良いとされ、
65歳までの雇用確保措置よりも、
一層選択の幅が広がっていることが分かります。

 

また、
健康状態が良くない、出勤率が低いなどで労使が合意した場合について、
適用除外規定を設けることも可能となるようです。

 

 

・今後は、積極的な高齢者活用に目を向ける

 

日本における少子高齢化は一層深刻化することが予想され、
企業においてはこれまで以上に、
高齢者活用を念頭に置いたビジネス展開を考えていく必要があるでしょう。

 

 

70歳までの雇用延長で努力義務と義務の違いは何?

 

現在、政府は高年齢者の雇用に取り組んでおり、
高年齢者を65歳まで継続雇用することを企業に義務付けています。

 

2020年5月15日には、高年齢者雇用安定法を再び改正し、
70歳までの継続雇用を義務
(ただし努力義務)づける方針を発表しています。

 

改正案の提出は2020年の通常国会を予定しており、
企業は今後ますます、
高年齢者の活用に取り組んでいくことになるでしょう。

 

 

日本の人口はすでに減少を始めており、
将来的な人口推計を見ても、
増加に転じるという予測は全くありません。

 

国全体の人口が減少すれば、
当然ながら労働人口も減少していきます。

 

実際に、
2018年の労働人口は、
2017年比で51万2000人減少の7545万1000人となっており、
総人口の60%以下となっています。

 

この数字は、1950年以来最低の数字です。

 

このままいけば、
2049年にはさらに3割減の5300万人まで減少していくとされています。

 

・経済成長のためには労働人口が極めて重要であり、
労働人口の増加によって量の面から経済成長を図る

 

・労働者一人当たりの生産性の向上によって、
質の面から経済成長を図る

 

この両方あるいはいずれかの道しかありません。

 

労働人口が減少している日本で経済成長を維持するためには、
なんとかして労働人口の減少を食い止め、
可能な限り増やし、
なおかつ生産性の向上も模索していく必要があります。

 

さらに、
少子高齢化がこの問題を深刻化させています。

 

戦争や天変地異といった大きな出来事によって、
生産年齢人口と非生産年齢人口が同時に減少しているならば、
それほど深刻な問題にならないこともあります。

 

確かに経済的には打撃を受けますし、
経済成長も鈍化するものの、
生産年齢人口の労働によって、
支えるべき非生産年齢人口の数も減るのですから、
社会的には割とうまく回っていく可能性が高いのです。

 

しかし、現在の日本は人口の減少と同時に、
少子高齢化という問題を抱えています。

 

つまり、
非生産年齢人口を支えるべき生産年齢人口が減少すると同時に、
医療の発達によって平均寿命が延び、
非生産年齢人口である高年齢者が増えています。

 

また、出生率は低下を続けており、
非生産年齢人口かつ将来的な労働者である15歳未満の人口が減少している、
という問題を抱えているのです。

 

 

50年前の日本では、
「人生70年」などと言われていましたが、
最近では「人生100年時代」などともいわれますよね。

 

全ての企業に、一律で70までの雇用を義務付けると、
負担に耐えられない企業も出てくるでしょう。

 

そのため、まずは努力義務を課す方針となっています。

 

努力義務であれば、
70歳までの継続雇用に対応できていない会社でも、
そのための努力をしていれば大きな問題にはなりません。

 

 

ならば、
努力した風のポーズだけ取っていればそれで良いかと言えば、
そうではありません。

 

2020年、
この改正案が成立して努力義務が課せられる可能性は高いでしょう。

 

まずは努力義務を課して企業の努力を促しつつ、
一定期間の猶予を与え、
努力義務ではどうにもならないレベルに達したところで、
義務化される可能性も十分にあります。

 

努力義務を課しているときには、
企業の努力を促すためにも、
厚生労働省は助成金などによって企業を支援します。

 

現在でも、定年の引き上げや再就職支援など、
高年齢者の就労にプラスになる取り組みを実施した会社では、
様々な助成金を受給することができます。

 

 

今後、
法改正に伴って助成金を活用できるタイミングは増えてくると考えられます。

 

したがって、
高年齢者の雇用に取り組んで努力義務を果たし、
助成金を受給して負担を軽減し、
高年齢者の雇用を人材不足の解消に役立てていくのがベストです。

 

努力義務にすぎないと考えて無視していると、
いずれ義務化されたときに高年齢者を雇用できる体制が整っておらず、
経営に混乱を招く可能性が高いのです。

 

その時になって取り組んでも、
受給できる助成金は減っているかもしれません。

 

助成金の活用でも、高年齢者の活用でも、
他の企業に大きく後れを取ることとなり、
生き残りが困難になることでしょう。

 

 

70歳までの雇用延長で企業の努力義務規定に罰則はあるのか?

 

罰則という事は、見つかりませんでしたが、
定年延長や再雇用を実施した場合に、
起こり得る問題と対応策についてまとめてみました。

 

 

・賃金に関する問題

 

定年延長をする際、
大きく懸念されるのが賃金に関する問題です。

 

「高齢者に支払う賃金をいくらに設定するのか」
「賞与は支給するのか」
「給与支払いのためのお金をどのように捻出するのか」など、

さまざまな課題があります。

 

高齢者やその他の従業員が賃金に納得しないと、
モチベーションの低下につながりかねません。

 

賃金に関する問題を解決するためには、
「個別対応ではなく、制度化・ルール化する」
「特定の従業員だけが損をしないように配慮する」
といった観点から、対応を検討することが重要です。

 

高齢者の賃金は、
たとえば、
「資格手当・職務手当などを見直す」
「年齢や役職ではなく、成果に応じた給与制度に変更する」
といった捻出方法の中から、
自社に最も合ったものを選択するとよいでしょう。

 

なお、賃金規定を改定する場合には、
労動基準監督署への届出が必要になるなどの注意点もありますので、
十分に留意してください。

 

 

・組織の年齢構成バランスに関する問題

 

定年延長により、
従業員全体に占める高齢者の割合が増加することで懸念されるのが、
年齢構成のバランスです。

 

高齢者が活躍すること自体は企業にとって良いことですが、
それによって、
若手の「人材育成が滞る」
「キャリア志向が弱まる」
社内で「世代交代が進まない」
といった事態になるのは、望ましいことではありません。

 

組織の若返りを図るための手段としてまず考えられるのが、
役職を退く年齢を決める「役職定年制」の導入です。

 

役職定年制の導入と併せて、
「将来の幹部候補の育成を早い段階から進める」
「若手社員が役職に挑戦できる機会・雰囲気をつくる」
といった対応策を行うとよいでしょう。

 

 

・モチベーションに関する問題

 

賃金や年齢構成に関する問題ともリンクするのが、
モチベーションの問題です。

 

高齢者は、
「給与が下がる」
「役職に就けなくなる」
といった理由から、

その他の従業員は、
「高齢者の賃金・役割に納得がいかない」
「高齢者が部下となったときのマネジメントが難しい」
といった理由から、
仕事へのモチベーションが下がる可能性があります。

 

モチベーションに関する問題を解決するためには、
「高齢者にどのような役割を期待しているのかを伝える」
「全社員が納得できる人事制度・給与制度を構築する」
「高齢者を部下に持つことになった従業員に対し、研修を行う」
などの対応を検討するとよいでしょう。

 

 

・健康管理に関する問題

 

健康寿命が伸び、元気な高齢者がいる一方で、
「若い頃より体調を崩しやすくなった」
「体力や集中力が下がった」
「持病があり、健康に不安を抱えている」
といった高齢者もいるでしょう。

 

健康状態が良くない状態で働いてもらうと、
「ミスが増える」
「労災に発展する事故が起きる」
といった可能性があります。

 

そのため、
「高齢者の健康管理をどのように行っていくのか」を考えることは、
定年延長を進める企業が果たすべき責任の1つと言えます。

 

健康管理に関する問題を解決するためには、
「通院しやすいよう、業務スケジュールを調整する」
「体調面での不安に応じて、業務の内容や作業量を調整する」
「がん検診やインフルエンザ予防接種を呼び掛ける」
といった対応を検討するとよいでしょう。

 

 

あとがき

高年齢者の継続雇用が進められることについて、
負担を感じる会社も多いと思います。

 

しかし、現在の日本の状況を考えると、
このような流れは仕方のないことでもあります。

 

ならば、
この変化が会社にプラスになるよう、
いかに対応していくかを考えるべきです。

 

高年齢者の経験や知識を活かすために、
例えば高年齢者を若手育成に役立てるなどすれば、
会社にとってのメリットは高まるはずです。

 

そのために、助成金もしっかりと活用していきたいものです。

 

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