人生100年時代という言葉が、
ニュースなどで良く使われるようになりました。
寿命が延びています。
昔は人生80年くらいでしたが、
最近は90歳を超えて人生100歳くらいの方が増えています。
そこで、自分のライフプランを見直す必要があります。
「生命寿命」が100歳に近づいていますが、
寝たきりで長生きするのはつらいので、
生命寿命に「健康寿命」を近づけていく必要もあります。
一方で、
長生きするとお金の心配もでてきますので、
「資産寿命」についても考え、
この3つの寿命をバランスよく考えていくことが必要になってきます。
日本における平均寿命は延びていますが、
1960年では男性65.3歳、女性は70.3歳が平均寿命でした。
世の中全体が高齢化してきています。
今のペースは、
10年で2歳くらいずつ平均寿命が延びています。
今後も平均寿命は延びていくことが考えられますので、
資産についても、
少し余裕をもって計画していく必要があると思います。
ゆとりある老後の生活費について、
ご夫婦で月額34.9万円の生活費が必要といわれています。
平均値ですので、
個人によって差はあると思います。
一方、年金で得られる実収入が平均22.3万円程度です。
これを単純に差し引きますと、
12.6万円不足するという計算になります。
したがって、少し余裕をもって考えると、
毎月15万円くらい生活費を補填するものがあれば、
余裕を持った老後が過ごせるということになります。
たとえば、65歳の男性が85歳まで生きる可能性が53%です。
さらに、
90歳まで生きる可能性は30%くらいです。
女性の場合は90歳まで生きる可能性が53%になっています。
95歳まで生きる可能性が28%です。
昭和の時代の資産額推移のモデルでは、
勤労世代に貯蓄をコツコツしながら、退職時に退職金をもらい、
その貯蓄と退職金と年金で生涯を終えていたイメージです。
しかし、寿命が延びていますので、
昭和の時代の資金計画では足りなくなってきています。
今後は、
勤労世代の間に運用して、
資産を増やすことを考えなければいけないということなのです。
生活保護を受けている世帯はどれくらいいるのか、
また、生活保護世帯の世帯主の年齢はどれくらいなのか、
について調べてみました。
平成30年の厚生労働省「被保護者調査」等のデータをみると、
「老後不安」は、
もはや「老後現実」であることが見えてきます。
厚生労働所の平成30年のデータをもとに、
生活保護の被保護人員の年齢階層別の分布について、
見てみると
平成30年度の生活保護の被保護人員は206万8958人。
その年齢階層別の分布は、
19歳以下が22万人台となっていますが、
40代半ば以降にその人数が12万人台となり、
年齢階層が上がっていくにつれて増えていくのが分かります。
~19歳:22万2629人
20~24歳:2万4165人
25~29歳:2万9365人
30~34歳:4万1963人
35~39歳:5万9613人
40~44歳:8万7935人
45~49歳:12万3837人
50~54歳:12万8560人
55~59歳:13万7819人
60~64歳:17万1357人
65~69歳:25万9664人
70~74歳:25万3846人
75~79歳:22万8606人
80歳以上:29万9599人
どうでしょう、
65歳以上の年齢階層の人数が大きく増えているのが確認できます。
65歳以上の生活保護者の比率がどの程度なのか、
先ほどの年齢階層別の人数を、
今度は全体に対する比率にしてみました。
すると、どうでしょう、
60歳以上で全体の58.7%、
65歳以上の比率では50.4%となり、
全体の半分を超えるのです。
これは、生活保護の被保護者を見ると、
老後である60歳以上にその状況にあるということが見えてきます。
~19歳:11%
20~24歳:1%
25~29歳:1%
30~34歳:2%
35~39歳:3%
40~44歳:4%
45~49歳:6%
50~54歳:6%
55~59歳:7%
60~64歳:8%
65~69歳:13%
70~74歳:12%
75~79歳:11%
80歳以上:14%
「老後不安」という言葉に振り回されてはいけません。
「老後は年金だけでも暮らせる」
「金融機関が煽る老後不安に騙されるな」と、
みんなを安心させるコメントをする人もいます。
人々を安心させるということは決して悪いことではありませんが、
実際に老後に困った状況に追い込まれる人が、
その言葉を信じてそうなったのだとすると、
人災としか言いようがないように思えます。
ただ、金融機関に騙されないようにしようというのは、
それは正しいことです。
もし、銀行などで資産運用の営業を受けているのであれば、
「銀行は絶対に教えない、ダメな投資信託の見分け方」に、
目を通す必要があります。
ここまで見てきたデータは、
必ずしも、
すべての人がそうではないということをと示しています。
日本の人口が1億2600万人いる中で、
生活保護の被保護人員が206万人。
その比率は全体に占める割合でいえば、わずか2%程度です。
わずか2%程度をとり上げて、
「老後不安」と言い切るのはどうかという指摘もあります。
退職時に退職金をもらっても、
退職後に、働き続ける方が増えています。
そして、完全に退職してしまったら、
それまでの資産を活用する時期になりますが、
そのまま取り崩すのではなく、
資産を延命させる努力もしていくことが必要だといわれています。
働く世代を過ぎ、老後に入ってしまうと、
お金を稼ぐ手段が限られてしまうわけです。
老後にお金に関する様々な選択肢を持っておくために、
早くから準備をしておく必要があるというのは、
間違いないことなのです。